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2008.03.12

【映評】『覆面ダルホ~演歌の花道~』/韓流シネマ・フェスティバル2008春

Main_ 2007年/韓国/監督:キム・サンチャン、キム・ヒョンス/出演:チャ・テヒョン、イ・ソヨン、イ・チェム/114分

◎この映画を含む韓流シネマ・フェスティバル2008春は、5月30日までシネマート六本木で開催中。
◎大阪・シネマート心斎橋では3月15日から4月11日まで開催。

※2008年2月15日、シネマート試写室(ブロガー試写にて)

写真は許諾を得て使用しています。

 正直なところ、タイトル聞いて引いた。オープニングシーンでとんでもない映画を見ることになったと思った。試写室に座り続けること1時間54分。実際、とんでもない、予想外の吸引力を持った映画だった。

 仲間とバンドを組んでロックスターを目指すダルホは、地方のクラブでトロット(日本の演歌に相当)のバックバンドをして糊口を凌ぐ日々を過ごしていた。ある日、ソウルの音楽事務所からソロ歌手にスカウトされる。喜び勇んで単身上京したものの、ダルホは実はその契約が彼が馬鹿にし続けてきたトロット歌手としてのものだと知る。いやいやレッスンを受ける彼の唯一の希望は、音痴だけど可愛いソヨンの存在。やがて、ダルホは、先輩歌手との交流のなかで歌の真髄を知り、トロットを受け入れ、歌い手としての才能開花させていく。そして、デビュー、テレビ出演となるのだが、かつてクラブでおちょくっていたトロット歌手とテレビ局でニアミス。思わず控え室にあった覆面をして番組に出てバカ受けしてしまう。かくして覆面をつけた歌手として、彼は人気スターになるのだが……。

Sub__01_4  前半は、彼女を口説き落としたい一心で好きでもないトロットの世界に居続ける男の話だ。衣装も何も妙にユニークで泥臭いのは、もしかしたらトロット世界のリアルなのかもしれない。その世界自体のアクが強すぎて、テヒョンならではの持ち味が薄められているきらいもあるのだが、後半の覆面歌手としてのデビュー以降は一転、テンポもよくなり、ユーモアのなかに恋の切なさを感じさせるチャ・テヒョンの持ち味が生きる。物語自体も、単なるラブストーリー&サクセスストーリーから、アイデンティティまで問うものへと変容し、自分自身であることとはどういうことなのかと強い力を持って問いかけてくるようになる。

 歌もの映画ということで音楽に関して言うと、オープニングでの演出過剰なトロットに度肝を抜かれる人が多いことと思うが、中盤以降はダルホことチャ・テヒョンの歌がじつによく効いている。ボーカルも悪くないが、それ以上に歌詞、そして……これ以上はネタバレになるのでやめておこう。最後の最後にわかります。Sub__02

 とにかく、オープニングで逃げなくてよかった。もうちょっと見せてよ、聴かせてよという気持ちにさせてくれた一編だった。

 以下余談になるが、音楽のジャンル分けにはいったいどんな価値があるのだろうか。これは本作でも劇中で何度か語られることだが、最近、黒人演歌歌手ジェロの演歌に乗せてのストリート系パフォーマンスを見ていて思った。ダルホとジェロの共演なんていうのも想像してみると面白いかも。

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